≪理念≫
ポータブル・シアターの活動は、2008年に始まります。
出発点は、大がかりなセットを使わず、俳優の表現力を引き出して、観客と創造的な劇空間を作りたいという考えでした。この理念は、1968年にデヴィッド・ヘアとトニー・バイキャットによって設立されたPortable Theatre(1968‐1973)と通じるものであり、その名をとって「ポータブル・シアター」と名付けました。
“私たちの目標は、新しい作品をどこにでも持って行き、観客の反応を即座に引き出す演劇を上演することです……私たちは従来の劇場の材木なしで移動し、多くの設備を必要とせずに自由なスペースを使用できます.”
(ポータブル シアター プレス リリース 1969)
俳優に重点を置いた創造活動は、このグループの出発点です。時代とともに、上演方法は変化していくでしょう。立派な大道具や美術を伴った上演であっても、この理念は変わりません。“自由に動き回ることができる生身の俳優”、これこそが「ポータブル」の理念そのものであります。
≪作品≫
上演作品は、基本的に海外翻訳劇です。。この理由の一つは、特に関西では、ユニークな独創性のあるオリジナル戯曲の上演が主流であるため、異なったタイプの戯曲を積極的に上演し、それをこのグループの特徴の一つとしたいと考えたからです。現代劇を取り上げてきましたが、作品のテーマも様々です。恋愛、自由、結婚、死刑制度、脳障害、科学、戦争、家族、同性愛、高齢化社会、親子関係、パンデミック、貧困、孤児、……。
≪現在と未来をつなぐ≫
このグループの活動は、これからの演劇を見据え状況に応じて絶えず変化していきます。演劇というエンターテインメントの中で、観客とともに喜び、悲しみ、怒り、そして、新たな時代の価値観を生み出し、共有していきたいと考えています。